指導方針のスタンダード②
学校あるあるの一例ですが、
仲間内の言い争いやトラブルの解決策として、
先輩の力を利用しようとするものがあります。
そんな時史実を元に、
問題解決の方法を考えさせる指導方法を紹介します。
その史実とは
「西郷隆盛」の薩英戦争終結後の英国外交官「アーネスト・サトウ」とのやりとりです。
生麦事件をきっかけに起きた戦争ですが、
その終結後、西郷とアーネスト・サトウが密談をした時のことです。
サトウの主張の要約
「幕府政治を終結させた方が日本のためになる。
また幕府にはフランスがついているので、イギリスは薩摩を応援する」
西郷の主張の要約
「幕府政治を終結させることは大賛成である。
しかし薩摩はイギリスの応援は断る。
日本の問題は日本人で解決しなくてはならない。
しかし、武器は必要なのでイギリスから買う。」
この内容は正式な文章としては記録されていないが
それぞれが自分の上司にその密談の内容を書簡にして出している。
西郷は小松帯刀に
「イギリスの援助ははっきり断った」と記している。
イギリスの従来の国策を見抜いていたからである。
サトウはオールコックに
「西郷は他のアジア人とは違う、イギリスの支援を断ってきた。
今後の対応を考えなければならない」と記している。
その史実を話しながら、
生徒たちに「どうする君たち」と問いかける。
1 どこまでも先輩の力を借りる。
2 自分たちの問題だから自分たちの力で解決してみる。
トラブルから少し時間がたち、
少し落ちついた生徒たちはほぼ間違いなく②を選択するのでした。
こんな指導方法がすべての事例に当てはまるとは思えませんが、
簡単で安易な対処方法でやり過ごしてきた生徒たちにとって、
全く新しい視点・観点で生きていくことを考えさせる良い機会と捉えて、
粘り強く対応することが良かったのではないでしょうか?
これも「学びの友セト」のスタンダードにしていきたいものです。